排水口をのぞいて、手が止まる。「これ、いつから増えていたんだろう」——産後の抜け毛は、始まりに気づくのが遅れがちです。ここでは、抜け毛が始まる時期とピークまでの流れを、公的な団体が公開している調査データで確認します。
休止期とは、毛周期のうち髪の成長が止まり、抜け落ちる準備に入っている期間を指します。妊娠中は成長期が延長し、出産後にまとめて休止期へ移る——つまり妊娠中に抜けるべき髪が抜けずに残り、出産後にまとめて抜ける、と日本産婦人科医会の解説は説明しています。この毛周期のずれが、産後の抜け毛を時期で語るときの前提です。

産後の抜け毛は、いつから始まる?
日本産婦人科医会の解説「第六回:出産後の抜け毛の量が育児中の不安に独立して関連」(東京科学大学周産・女性診療科 廣瀬明日香/2025年9月29日作成)は、出産後2〜4か月ごろから始まるといわれる、と述べています。
同解説が報告する調査——産後10か月から18か月が経過した331名へのアンケート——では、開始時期の平均は産後2.9か月でした。抜け毛を多少なりとも感じた人は91.8%です。
出産直後は、まだ変化を感じない方が多い時期にあたります。目に見える抜け毛の増加はこれから、というのが一般的な流れです。
始まりに気づくのは、どんな場面?
同じ調査では、抜け毛を感じた場面も尋ねられています。複数回答で、洗髪時が90.0%、髪のセット時が46.8%、床や枕に抜け毛を見つけた時が46.2%、誰かに指摘された時が9.3%でした。
9割が洗髪時に気づく一方で、人に指摘されて気づいた人は1割に届きません。出産後の抜け毛はびまん性脱毛で、頭髪が全体的に均等に薄くなるため周囲からは気づかれにくい、と同解説は説明しています。
鏡の前で「気のせいかもしれない」と思う日が続いても、それは変化が小さいからとは限りません。

ピークはいつごろ?
同じ調査では、ピーク時期の平均は産後5.1か月と報告されています。シャンプー時の排水口や枕元の量に驚く方が多いのも、この前後です。
分け目や生え際のボリュームが気になり始めるのも、この頃という声があります。ピークを過ぎたあとの見通し——いつ落ち着くと報告されているか——は「産後の抜け毛はいつまで続く?終わりの目安は平均8.1か月」にまとめています。
なぜこの時期に増えるの?
出産後に生じる女性ホルモンの変動が影響していると考えられている、と同解説は述べています。ただし、ホルモン値と出産後の抜け毛の関連を実際に示した論文はない、とも記されています。
出産後は、精神的ストレス、睡眠状況の悪化、体重の変動、母乳育児による栄養状態の変化など、抜け毛に影響しうる要因が重なる時期でもあります。複数の要因が合わさって起こるものと考えられています。仕組みのくわしい説明は「産後の抜け毛はなぜ起こる?原因とホルモンの関係」をご覧ください。
まとめ
- 始まりは一般に出産後2〜4か月ごろといわれ、331名の調査では開始時期の平均が産後2.9か月と報告されている(個人差があります)。
- 気づく場面は洗髪時が90.0%。人に指摘されて気づいた人は9.3%にとどまる。
- ピーク時期の平均は産後5.1か月。その後の見通しは別記事で整理している。
抜け毛が気になり始める時期のケアについては「産後1〜3ヶ月、頭皮ケアは何から始める?」で、時期別の対策の全体像は「産後の抜け毛の対策」の全体ガイドでご紹介しています。
参考資料
※ 本記事の期間・割合の数値は、上記の日本産婦人科医会の解説および同解説が引用する調査(産後10か月〜18か月の褥婦331名へのアンケート)に基づく引用です。当社製品の効果を示すものではありません。本品は医薬部外品で、効果には個人差があります。本記事は一般的な情報の提供を目的としており、医学的な診断・治療の代わりになるものではありません。
